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雨の名前

雨。霧雨。小雨。小糠雨。驟雨。大雨。通り雨。俄か雨。豪雨。暴風雨。雷雨。涼雨。慈雨。翠雨。五月雨。梅雨。長雨。秋雨。時雨。氷雨。夜雨。沖雨。村雨。淫雨。多雨。銀雨。涙雨。花の雨。無情の雨。生憎の雨。連日の雨。土砂降りの雨。みずいろの雨。オレンジの雨。12月の雨。京のにわか雨。天気雨。闇に降る雨。タンホイザー・ゲートに降る雨。地底の雨。蝉時雨。硝煙弾雨。鉄の雨。血の雨。黒い雨。酸性雨。流星雨。

栗鼠の集めたどんぐり

栗鼠がどんぐりを集めるようにしてずっと樹の虚に溜め込んできた物語の断片たちというものがあって、それらは自分の思考の分泌物なのだから拾ってきたどんぐりとは違うはずなのだが、長い時間が経つうちに黴が生えたり腐敗したり枯死したり稀に発芽したりしそうなあたりはよく似ているし、ジグソーパズルのピースのようなその断片たちが最後に描き出すはずの全体も朧げには見えているのだけれど、まだピースの数が圧倒的に足りていないので、やがて腐敗と酸化の速度が蒐集したり増殖したりするのを追い越してしまうかもしれないと恐れつつ、それでもコトバがコトバを呼んで撞球台の上を走り回る球のような自律運動が始まる、あの至福の瞬間がいつか再び訪れることを根拠なく確信している。

……というような長いセンテンスをたまには書いてみたくなったのです。ああ、すっきりした。

鴻池朋子「シラ―谷の者 野の者」の謎

上野の森美術館で開催中の「第5回 東山魁夷記念 日経日本画大賞展」に行ってきた。
目的の作品はただひとつ、鴻池朋子「シラ―谷の者 野の者」だったのだが、実物を見てひとつの謎が残った。

図録や、展覧会のサイトに掲載された写真では、右の4領だけ手掛けの位置が低くて、何かの都合があったのだろうかと不思議に思っていたのだが、
展示されている実物では手掛けの位置が揃っている。

見比べて明らかなように、手掛けの位置だけを修正したのではなく、絵全体を持ち上げていて、狼たちの足元に空白が生まれている。

いったん襖として完成した後にこのような修正を行えば、下の空白の部分は継ぎ足さなければならないはずだが、近くで見ても継ぎ目はない。

全く同じ絵を新たに描き直したのか、巧妙な手段で継ぎ足したのか、あるいは、図録の写真は襖にする前に撮影されていてトリミングを間違えたのか。

……謎である。


JUGEMテーマ:展覧会
 

顔なしたちの世界


 左目の飛蚊症が酷いので眼科へ行く。
 最初にコンタクトレンズを外されて眼圧と視力を測られ、
「裸眼だと両目とも0.02ですねー」(0.2ではない)
「矯正視力は出てますね−。大丈夫ですねー」
「このあと診察がありますので、それまで待合室でお待ちくださいねー」
と追い出される。おいおい、現在の俺の視力は0.02だぞ。

 土曜日なので待合室は混み合っている。
 空いている椅子は識別できるが、他人の顔はわからない。服装と背格好でなんとか老若男女が推定できるという具合。置いてある雑誌を読もうとしても、誌面から3cmまで顔を近づけてやっと文字が見える始末。他人から見たらかなり異様な行動だろう。

 ようやく呼ばれた診察室でも、1m先の女医の顔がわからない。たしか国仲涼子がそのまま歳を取ったような元美人だったはずだが、切りそろえた前髪の下は茫漠たる肌色の荒野が拡がるばかり。人の美醜なんて所詮は薄皮一枚のはなしサ、などと知ったようなことも言ってみたくなる。
 しかしこんな視力では、もし文明が突然崩壊してコンタクトレンズも眼鏡も手に入らなくなったら、3日と生きていけないだろう。
 生きていたとしても、肌が触れあうほど近づかなければ顔も認識できないのだから、ほとんどの知人は顔のない他人になってしまう。愉快な同僚も美形の友人もみんな顔なしになってしまった世界に住むのは、考えただけでも寂しくなる。

 もしかすると、それはそれでシンプルで生きやすい世界なのかもしれないが、それも3日以上生き延びることができればの話である。


俳句とか短歌とか


梅雨のあはひの夜のどこかで誰かがガラムを吸つてゐる
(自由律短歌のつもり)

すめろぎの柩を追ひて蝶の往く
(幻想俳句のつもり)

すめらぎは神去りましきと呼ばりつつ柩を追ひて蝶の舞ひ往く
(やっぱり短歌のほうが……)


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