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栗鼠の集めたどんぐり

栗鼠がどんぐりを集めるようにしてずっと樹の虚に溜め込んできた物語の断片たちというものがあって、それらは自分の思考の分泌物なのだから拾ってきたどんぐりとは違うはずなのだが、長い時間が経つうちに黴が生えたり腐敗したり枯死したり稀に発芽したりしそうなあたりはよく似ているし、ジグソーパズルのピースのようなその断片たちが最後に描き出すはずの全体も朧げには見えているのだけれど、まだピースの数が圧倒的に足りていないので、やがて腐敗と酸化の速度が蒐集したり増殖したりするのを追い越してしまうかもしれないと恐れつつ、それでもコトバがコトバを呼んで撞球台の上を走り回る球のような自律運動が始まる、あの至福の瞬間がいつか再び訪れることを根拠なく確信している。

……というような長いセンテンスをたまには書いてみたくなったのです。ああ、すっきりした。

こんな夢を見た

知り合いの若い女性と話をしていたら、最近煙草を食べると美味しいと言い出したのでびっくりして、絶対に身体に悪いし死ぬかもしれないと注意したら、今のところ体調に問題はないし、だいいち美味しいんですからいいじゃないですかと機嫌が悪くなってしまったので、とても落ち込んだ気分になった。


鴻池朋子「シラ―谷の者 野の者」の謎

上野の森美術館で開催中の「第5回 東山魁夷記念 日経日本画大賞展」に行ってきた。
目的の作品はただひとつ、鴻池朋子「シラ―谷の者 野の者」だったのだが、実物を見てひとつの謎が残った。

図録や、展覧会のサイトに掲載された写真では、右の4領だけ手掛けの位置が低くて、何かの都合があったのだろうかと不思議に思っていたのだが、
展示されている実物では手掛けの位置が揃っている。

見比べて明らかなように、手掛けの位置だけを修正したのではなく、絵全体を持ち上げていて、狼たちの足元に空白が生まれている。

いったん襖として完成した後にこのような修正を行えば、下の空白の部分は継ぎ足さなければならないはずだが、近くで見ても継ぎ目はない。

全く同じ絵を新たに描き直したのか、巧妙な手段で継ぎ足したのか、あるいは、図録の写真は襖にする前に撮影されていてトリミングを間違えたのか。

……謎である。


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