コンプリート・エディションが出ているなんて知らなかった。
この漫画、大学時代に出会ったような記憶があるのだが、あらためて巻末の初出一覧を見ると、連載第1回が1981年10月となっている。とするとまだ浪人していたころで、浪人中に「少年ジャンプ」を買っていた記憶はないから最初の方は後から単行本で読んだのだろうか?
因みにWikipediaによれば、1981年という年にはロナルド・レーガンとフランソワ・ミッテランが大統領に就任し、チャールズ皇太子が結婚し、東京12チャンネルがテレビ東京になり、ポーランドで「連帯」に対して戒厳令が発令され、「セーラー服と機関銃」とか「スローなブギにしてくれ」とかあって、「オレたちひょうきん族」が始まっている。どれもこれも、すっかり忘れていたよ。
「少年漫画は死んだッ…」の最終回が1983年11月で、こちらはリアルタイムで読んだのを覚えている。
いずれにせよ30年に近い昔のことで、思い込みが記憶を歪曲するには十分すぎる時間が経過したということなのだろう。
飽きるかなと思いつつ読み始めたら、一気に3巻読了した。ベネシアンブラインドのある白い部屋とか、プラスチックの椰子の木とか、バブル直前の妙に力の抜けたあの時代の空気を反芻しながら、気がついたら読み終わってしまった。
少年漫画が死んでどうなったかというと、大したことは起こらない。それはとにかく、一応の完結をみたということでなんとなくすっきりした人は多いだろう。カラーページがきちんとカラーで読めるし、判型も単行本より大きいので老眼が進行中の目に優しい。