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アムトラック 7列車 「エンパイア・ビルダー」シカゴ 14:15 - シアトル 10:25(第3日)

05:30過ぎ、コーヒーの香りがして目を覚ます。
 寝ている間にワシントン州に入っているはずなので、まだ04:30ということになる。未明のスポケーンではポートランドへ行く編成の切り離しがあったはずだが、まったく知らずに眠っていたようだ。
 ドアの下から朝刊が差し込まれている。「THE SPOKESMAN-REVIEW」という聞いたことのない名前だ。着替えてトイレに行き、面倒なのでそのままの服で横になる。まだ外は完全に暗い。
 どこかの駅に停まって廊下が賑やかになる。こんな時間に列車でシアトルに向かう人もいるのだろうか。
 05:34発車。駅名は確認できなかったが、ワシントン州ワナッチーであろう。


 シャワーを浴びに行く。昨日は洗面所で髭を剃って床を水浸しにしたので、今日はシャワー室で剃ることにする。
 列車は山岳地帯の森の中を走っている。谷あいから見上げる狭い空が明るくなって、朝焼けの赤い雲が浮かんでいる。すでにカスケード山脈に差し掛かっているらしい。


 07:00少し前、長いトンネルに入る。朝食に呼ばれて席に着いたころようやく抜けた。濃霧の森林地帯を行く。テキサスから来たという夫婦と相席になる。

 渓流に沿って走ったかと思うと針葉樹の茂る沼沢地になり、また朝霧が立ち込める中に入ったりと、風景の変化が早くなる。湿度も全般に上がった感じで、これまで東海岸からずっと続いてきた、乾いた大味さがなくなっている。

 木材が豊富な土地柄らしく、見事なティンバー・トレッスルと交差する。横に製材所があるので、その専用線だろうか。空には熱気球が浮かんでいる。

 08:39、三角線で止まってしまう。しばらくして前方から右手に向かって、タルゴ列車が通過していった。ただでさえ背の低いタルゴ客車だが、巨大なアメリカの機関車に連結すると車高は2倍ほど違うように見える。機関車は編成の前後に付いている。先生に引率される幼稚園児の列のようだ。


 08:46、ワシントン州エヴァレット発。8分遅れ。水際に出てゆっくりと走る。冷たそうな色をした水だが、驚くほど澄んでいる。湖の水は太平洋につながる入江のはずで、大西洋に注ぐハドソン川から3泊、大陸を横断したという実感が湧いてくる。

 最後の駅となるワシントン州エドモンズを09:13発。3分遅れ。時刻表によると、ここから終着のシアトルまでの17マイルを1時間15分かけて走ることになっている。平均時速22km/hとはかなりの鈍足である。列車は水辺をのろのろと走ってときどき停まってしまったりしながらも、やがて市街地に入り、巨大な客船が接岸する横を走ったりして09:54、シアトル、キングストリート駅に到着した。


 シカゴから2,205マイル(3,548km)を走って31分の早着であった。

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